飲酒者の分母
今日、仕事の都合で行った滅多に行かない駅。
今ではよく見かけるようになった路上喫煙禁止条例の看板。
文言には「見つけたらすぐ科料」
つい十数年前までは駅のホームに灰皿が置いてあった。
その時にはこんな看板が立つなんて夢にも思わなかった。
どうしてこんな事が出来るようになったのか考えてみた。
言い過ぎかもしれないが体感だと男性の7割近くが喫煙者だった。
煙草を吸うのが息をするのと同じくらいの感覚。
今ほど煙草の匂いを気にする事は少なかった。
日本中が煙草臭かったから。
変わったのは煙草の大幅な増税からだと思う。
300円台で買えていたのが一気に400円前半台まで値上がり
多くの大人達が思春期の名残りから卒業した。
多数派から少数派へと変わった事でテレビのCMは無くなり
自販機はタスポがないと買えなくなり受動喫煙問題が取り沙汰されるようになった。
吸わない人=クソ真面目なつまらない奴から、
吸わない人=常識のある社会の鑑と言われるまでのし上がった。
寛容されていたはずの煙草が絶対悪になったのは
非喫煙者の訴えが認められたのでは無く禁煙者が煙草を再び吸わない為に
起こした社会的運動のようなものだと勝手に思っている。
これを酒に置き換えてみたらどうでしょう?
非飲酒者は酒は体に悪いと分かっていても飲酒者に強くは言えない。
四六時中買えて街には居酒屋ばかりで酒は寛容されているから。
酒を飲まない奴=人生の半分を損しているヘタレつまらない奴。
飲酒者はよくこう言う「何で酒飲まないの?」と。
酒を飲まない理由を聞いてくる。
体を壊してから飲めなくなったからと言うと
まるで言い訳でもしているような気分になる。
これは全く逆で飲酒者は理由もなく酒を飲んでいるだけで、
飲みたいからストレスだのと言い訳をしている事に気付いていない。
だったら煙草だって同じでは?何が違うのだろう。
そういう時代だけの問題ではないはず。
外国では路上飲酒は禁止なのに日本では禁止ではない。
販売時間も制限されている国だってある。
日本より酒税が安い国もあるけれど飲み放題なんてあるのだろうか。
あと何年で酒は煙草と同じ末路を辿るんだろう。
禁酒が酒を見たくないから社会運動をし始めるんだろうか。
個人的には酒も煙草もほどほどにやっていけるのが
良いのではと思う。
断酒をして3ヶ月以上経つけど
人生が楽しくなったわけでも豊かになってもいない。
だからといってつまらなくもなっていない。
有っても無くてもどちらでも良い。
ただ飲んだくれには二度と戻りなくない。